建設業におすすめの法人ガソリンカード4選|大型車両・審査・燃料費管理で比較

建設会社の経理を見ていると、燃料費だけが、いつも管理が甘くなりがちです。現場ごと・車両ごとの原価が分からず、月末になって領収書の束と格闘する。そんな会社は少なくありません。

実は、この状況を変えるのは難しくありません。法人ガソリンカードを1枚導入するだけで、現金精算と、車両ごとの原価不明という2つの悩みが、同時に片付きます。

ただし、建設業には、ほかの業種にはない事情があります。ダンプやミキサー車のような大型車両を使う会社が多く、一部のカードは、車両の重さによって発行できないからです。

カギは、燃料費の割引額だけでなく、車両の大きさと、会社が設立からどれくらい経っているかです。この2点を押さえるだけで、選ぶべきカードは、驚くほど絞り込めます。

この記事でわかること
  • 建設業で燃料費管理が難しくなる、3つの理由
  • 建設業に向いている法人ガソリンカードの見分け方
  • おすすめの法人ガソリンカード4枚の違い
  • 車両ごとに燃料費を管理する、具体的な方法
目次

建設業で燃料費管理が難しくなる理由は?

建設業の燃料費管理には、ほかの業種とは違う難しさがあります。ここからは、その理由についてみていきましょう。

  • 車両・現場ごとの原価が見えにくい
  • 現金精算で領収書が集まりにくい
  • 設立直後は審査が不安

車両・現場ごとの原価が見えにくい

建設業は、現場ごとに車両を動かすため、どの現場の、どの車両にいくら燃料費がかかったのかが、現金払いだと把握しにくくなります。1台の車両が複数の現場を掛け持ちすることも多く、レシートを見ただけでは、あとから振り分けるのが困難です。

たとえば、ダンプ3台を抱える建設会社が、月20万円の燃料費を現金で払っていると、現場別の原価は、担当者の記憶とレシートの日付を頼りに、手作業で振り分けるしかありません。

現金精算で領収書が集まりにくい

現場の作業員が、それぞれ現金で立て替えて給油すると、レシートの提出が遅れたり、なくしたりする問題が起きます。経理担当が、月末にまとめて締めようとしても、揃うまで待つ必要があります。

具体的には、5人の作業員が、それぞれ別の現場で給油していると、月末の締め日までに全員分のレシートが揃わず、経費の確定が翌月にずれ込むことも珍しくありません。

設立直後は審査が不安

設立から日が浅い会社や、決算を一度も迎えていない個人事業主は、法人カードの審査に通るか不安に感じやすい状況です。カード会社によって、審査で見られる内容や、必要な書類は異なります。

たとえば、独立してすぐの一人親方が、決算書の提出を求められるカードに申し込むと、書類が用意できず、申込の時点でつまずいてしまいます。

建設業に向いている法人ガソリンカードの条件は?

建設業でカードを選ぶときは、業種特有の事情を踏まえておく必要があります。判断する軸は、以下の3つあります。

  • 大型車両への対応
  • 審査の通りやすさ
  • 車両ごとの管理のしやすさ

それぞれ詳しくみていきましょう。

大型車両への対応

ダンプやミキサー車のような大型車両を使う会社は、カードによって発行できない場合があるので、事前に確認が必要です。ENEOS BUSINESSは、表示積載量4t以上の車両には発行できません。

4tダンプを主力車両にしている会社が、確認せずにENEOS BUSINESSへ申し込むと、その車両分だけは対象外になり、結局レシートでの精算が残ってしまいます。

出典:ENEOS BUSINESSカード ご入会の対象

審査の通りやすさ

審査の考え方は、カードによって大きく異なります。クレジット審査を行うカードと、組合への加入審査で発行されるカードがあります。

決算実績がまだない会社は、クレジット審査を必要とするカードより、組合加入審査で発行されるカードのほうが、申し込みのハードルは低くなります。クレジット審査では、会社の信用情報や決算内容が見られる一方、組合加入審査は、組合員としての資格を満たすかどうかが中心になるためです。詳しくは、次の章で紹介します。

車両ごとの管理のしやすさ

車両ごとに原価を分けたいなら、カードが車両単位で発行できるかを確認します。カードによっては、1台につき1枚を発行し、明細で車両ごとの利用を追う仕組みになっています。

apollostation BUSINESSは、車両番号を1枚のカードに登録する機能はありません。車両ごとに管理したい場合は、車両の台数分、カードを発行する形になります。

出典:出光クレジット よくあるご質問(車輌番号の登録)

建設業におすすめの法人ガソリンカード4枚は?

ここまでの条件を踏まえて、建設業に向いている法人ガソリンカードを4枚、紹介します。

  • apollostation PLATINUM BUSINESS
  • apollostation BUSINESS
  • ETC協同組合ガソリンカード
  • ENEOS BUSINESS

【建設業向け法人ガソリンカード4枚の比較】

カード名給油の割引大型車両審査年会費(税込)
apollostation PLATINUM BUSINESSなし(0.8%ポイント)対応クレジット審査22,000円
apollostation BUSINESS店頭価格対応クレジット審査無料
ETC協同組合ガソリンカード組合価格対応(要確認)組合加入審査無料〜
ENEOS BUSINESS契約価格4t以上は不可契約審査無料

それぞれ、どんな会社に向いているのか、順番に見ていきましょう。

apollostation PLATINUM BUSINESS

apollostation PLATINUM BUSINESSは、給油の値引きがない代わりに、経営者としての付帯サービスが充実した最上位カードです。年会費は22,000円(税込)で、年間300万円以上の利用で翌年度が無料になります。

apollostation PLATINUM BUSINESSは、法人・個人事業主向けに設計された高還元のビジネスカードです。通常利用でも0.8%還元(海外は1.0%)と法人カードの中でも高水準に加え、出張・経費決済でも効率よくポイントを貯められます。さらに、年間300万円以上の利用で年会費22,000円が翌年度無料となるため、経費決済を集約できる事業者ほどメリットが大きくなります。保険・コンシェルジュ・ラウンジなど付帯特典も充実しており、コスト管理と利便性を両立したい方に適した1枚です。

おすすめポイント3選

  • 年間300万円以上の利用で年会費が翌年度無料になる
  • 法人カードとしては高水準の0.8〜1.0%還元
  • 旅行保険・ラウンジ・コンシェルジュなど特典が充実
年会費22,000円(税込)
※年間300万円利用で翌年無料
国際ブランドVisa / American Express
ポイント還元率0.8%〜1.0%
付帯保険国内・海外旅行傷害保険(利用付帯)
ショッピング保険
サイバー保険
追加カード追加会員:3,300円(税込)
*最大9枚
対象法人・個人事業主
発行スピード数日

申し込み前に知っておきたいポイント

  • 年間300万円未満の場合は年会費22,000円がかかる
  • 即日発行には対応しておらず発行まで数日必要
  • 旅行保険は自動付帯ではなく利用付帯

給油分も、ほかの支払いと同じ1,000円につき8ポイント(0.8%)の対象です。プライオリティ・パスやコンシェルジュなど、経営者の出張・商談を支える特典が付いています。燃料費の割引額より、経費決済全体をまとめる価値を重視する会社に向いています。

apollostation BUSINESS

apollostation BUSINESSは、クレジット決済機能を持たない、給油専用の法人カードです。年会費は無料で、社用車の給油や整備代を、口座引き落としで一括管理できます。

apollostation BUSINESSは、出光クレジットが発行する法人・個人事業主向けの給油専用カードです。クレジット決済機能は持たず、社用車の給油や整備代を口座引き落としで一括管理できるのが特徴です。車両ごとの利用明細を確認できるため、社用車が複数ある会社の経費事務処理を効率化したい方に向いています。

おすすめポイント3選

  • 年会費無料で発行できる
  • 全国のapollostationでサインひとつで給油・点検整備ができる
  • 車両ごとの利用明細で経費管理がしやすい
年会費無料
クレジット機能なし(口座引き落とし・給油専用)
ポイント付与なし
利用可能店舗全国のapollostation(一部除く)
利用明細毎月20日~月末に郵送(ウェブ明細非対応)
ETCカード年会費550円(税込・1枚につき)
お支払いサイクル毎月末日締め・翌々月7日引き落とし
申込方法apollostation店頭または出光クレジットへ申込書を郵送請求

申し込み前に知っておきたいポイント

  • クレジット決済ができず、ポイントも貯まらない
  • ウェブステーション・ウェブ明細には対応していない
  • ロードサービスなど個人向けカードのような付帯特典はない

申込には、法人は登記簿謄本、個人事業主は本人確認書類2点が必要です。車両ごとに管理したい場合は、車両の台数分カードを発行します。割引額より、管理のしやすさとコストの低さを重視する会社に向いています。

出典:出光クレジット よくあるご質問(apollostation BUSINESSの年会費)

ETC協同組合ガソリンカード

ETC協同組合ガソリンカードは、クレジット審査ではなく、組合への加入審査で発行される給油専用カードです。設立直後や、決算実績がまだない会社でも、申し込みやすいのが特徴です。

ETC協同組合のガソリンカードは、クレジット審査が不要で、設立間もない法人や独立直後の個人事業主でも申し込みやすいのが特徴です。全国約6,400店舗のアポロステーション・出光&昭和シェルSSで利用でき、年会費・カード手数料は無料。加入時に出資金1万円が必要ですが、退会時に返金されます。

ETC協同組合ガソリンカードのおすすめポイント

  • クレジット審査がなく、独立直後でも申し込みやすい
  • 年会費・カード手数料が無料
  • 全国均一価格で、地域差の影響を受けにくい
年会費無料
カード手数料も無料
出資金10,000円
退会時返金
対象SSアポロステーション・出光&昭和シェル
全国約6,400店舗
価格方式全国均一の組合価格
高速道路上のSSは価格が異なる

ETC協同組合ガソリンカードの気になるポイント

  • 使えるのはアポロステーション・出光系のSSに限られる
  • 出資金1万円が別途必要(退会時返金)
  • 高速道路上のSSでは価格が異なる

\申し込みはこちら/

ガソリン価格は組合価格として算出され、後払い方式で請求されます。設立から日が浅く、クレジット審査に通る自信がない会社に向いています。

ENEOS BUSINESS

ENEOS BUSINESSは、全国最多のENEOSサービスステーションで使える、年会費無料の法人ガソリンカードです。ガソリン・軽油は、加盟店と取り決めた契約価格で給油できます。

ENEOS BUSINESSは、トヨタファイナンスとENEOSが発行する法人・個人事業主向けの給油専用カードです。従業員個人にではなく、会社が所有する車両ごとにカードが発行される仕組みで、ガソリン・軽油をあらかじめ取り決めた契約価格で給油できます。ポイント還元はありませんが、年会費無料で車両ごとの経費管理を効率化したい方に向いています。

おすすめポイント3選

  • 年会費無料で車両単位に発行できる
  • ガソリン・軽油を契約価格で給油できる(店頭価格の変動を受けにくい)
  • 紛失・盗難時は60日前までさかのぼって補償される
年会費無料
発行単位車両ごと(従業員個人への発行ではない)
ポイント付与なし
給油価格契約価格(発券店とあらかじめ取り決めた価格)
利用可能店舗全国のENEOSサービスステーション(一部除く)
ETCカード発行手数料無料/年会費550円(税込・1枚につき)
紛失・盗難補償お届け日から60日前までさかのぼり損害額を補償
申込方法WEBサイトから(郵送申込書の取り扱いは終了)

申し込み前に知っておきたいポイント

  • ポイント還元やマイル還元はない
  • ENEOSサービスステーション専用で、他店舗では使えない
  • 紙の入会申込書での申し込みは終了しており、WEB申込のみ

申込には、事前にENEOSのサービスステーションへ来店する必要があります。表示積載量4t以上の車両には発行できないため、大型車両が中心の会社は、ほかのカードと組み合わせる必要があります。

出典:ENEOS BUSINESSカード ご入会の対象・給油価格

車両ごとに燃料費を管理する方法は?

カードを導入したあとは、車両ごとの原価をどう追うかが課題になります。方法は、以下の2つあります。

  • カードを車両単位で発行する
  • 明細をクラウド会計に取り込む

それぞれ詳しくみていきましょう。

カードを車両単位で発行する

もっとも単純な方法は、車両1台につきカードを1枚発行し、運転する人を固定することです。明細に、その車両の給油履歴だけが並ぶので、現場・車両別の原価集計が、そのままできます。

具体的には、軽トラックとダンプを1台ずつ使う工務店なら、2枚のカードに分けて発行すれば、明細を突き合わせるだけで、車両別の燃料費がそのまま把握できます。

明細をクラウド会計に取り込む

カードの利用明細は、Web上で確認でき、会計ソフトに取り込める場合があります。手入力の手間が減り、現場・車両ごとのタグ付けも、月次でまとめて行えます。

紙の請求書を待たずに、締め後すぐ経費を確定できるのも利点です。取り込みの対応状況は、カードごとに異なるため、導入前に確認しておくと二度手間になりません。

申込から使い始めるまでの流れは?

カードの種類によって、申込の手順は異なります。ここでは、代表的な2つの流れを紹介します。

STEP
申込方法を確認する

ENEOS BUSINESSは事前のSS来店が必要です。apollostation BUSINESSは、公式サイトからの直接申込か、法人デスクへの書類請求から始めます。

STEP
必要書類を用意する

法人は登記簿謄本、個人事業主は本人確認書類2点が目安です。カードによって必要書類は異なるため、事前に確認します。

STEP
審査を受ける

クレジット審査のカードと、組合加入審査のカードがあります。審査にかかる日数は、カードによって異なります。

STEP
カードを受け取り、使い始める

車両ごとに管理したい場合は、この時点で必要な枚数を発行しておきます。

建設業の法人ガソリンカードに関するよくある質問

ダンプやミキサー車でも使えますか?

カードによります。ENEOS BUSINESSは、表示積載量4t以上の車両には発行できません。apollostation BUSINESSやapollostation PLATINUM BUSINESS、ETC協同組合ガソリンカードは、大型車両にも対応しています。

設立したばかりでも申し込めますか?

カードによります。ETC協同組合ガソリンカードは、クレジット審査ではなく組合への加入審査のため、設立直後や決算実績が浅い会社でも、申し込みやすい傾向があります。

個人事業主でも申し込めますか?

申し込めるカードがあります。apollostation BUSINESSは、個人事業主の場合、本人確認書類2点で申し込めます。

複数の車両を、1枚のカードで管理できますか?

カードによります。apollostation BUSINESSは、1枚のカードに車両番号を登録する機能がなく、車両ごとに分けて管理する場合は、台数分のカードを発行します。

ETCカードは、別に申し込む必要がありますか?

必要です。apollostation BUSINESSに付帯するETCカードは、1枚につき550円(税込)の年会費がかかります。単独では申し込めません。

燃料費の割引額が大きいカードはどれですか?

この記事で紹介した4枚のうち、apollostation PLATINUM BUSINESSは給油の値引きがない代わりに0.8%のポイントが付きます。ほかの3枚は、店頭価格・契約価格・組合価格として、給油そのものが割引されます。

割引額は、利用するスタンドや時期によって変わるため、申し込む前に公式サイトで最新の条件を確認しておくと安心です。

まとめ:建設業のカード選びは、車両の大きさと審査の通りやすさで決まる

建設業の法人ガソリンカードは、燃料費の割引額だけでなく、大型車両に対応しているか、審査の通りやすさはどうかまで見て選ぶ必要があります。

建設業のカード選びで押さえておきたい点
  • 大型車両が中心なら、4t制限のあるカードを避ける
  • 設立直後・決算実績が浅いなら、組合加入審査のカードが候補になる
  • 車両ごとに原価を分けたいなら、車両単位でカードを発行する
  • 経費決済全体をまとめたいなら、上位カードのポイント・特典も比較材料になる

自社の車両の大きさと、設立からの年数を先に確認しておくと、候補を無駄なく絞り込めます。

個人事業主として、より幅広いガソリンカードを比較したい場合は、次の記事も参考になります。

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このサイトを運営している人

「クレカの賢人」運営者のMASAです。これまでに発行してきたクレジットカードは累計20枚以上。ライフスタイルに合わせて様々なクレジットカード選びをしてきました。また、NISAでの資産運用も続けながら、日々の暮らしをクレカでお得にする情報を発信しています。掲載記事はすべて自分で執筆し、実際に使った経験をもとに、メリットだけでなくデメリットや注意点も正直にお伝えします。

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