JCB法人カードは、個人のJCBカードのようにMyJCBや自動音声の電話から解約することはできません。窓口はカード裏面に書かれたカード発行会社で、電話で申し出ると退会の手続きが案内されます。
ただし、代表者が交代するだけなら解約は必要なく、書面で代表者を変更すれば契約をそのまま続けられます。反対に、吸収合併される側の会社や、事業譲渡・解散では契約を引き継げないため、退会したうえで新規に申し込むことになります。
解約すると決めたら、年会費がかからない期限、J-POINTの交換、使用者カード・ETCカード・継続払いの付け替えを先に済ませておくと、解約後に支払いが止まって困ることがありません。
JCB法人カードの解約方法
JCB法人カード(一般・ゴールド・プラチナ)は、JCBザ・クラスやプラチナカードと同じく、電話で退会の手続きを受け付けるカードです。個人カードで使えるMyJCBの退会メニューや自動音声の電話は使えません。手続きの流れは次のとおりです。
カード番号が「354」から始まり、券面の右上に「CORPORATE」と表示されているのがJCB法人カードです。券面に「JCB CARD Biz」「Biz ONE」と表示されたカードは、下で説明するとおり手続きが別です。
カードを手元に用意し、カード裏面に記載されたカード発行会社の電話番号へ、カードの会員本人から退会を申し出ます。
発行会社によっては、退会届の返送を求められます。電話だけで終わるのか、書面が必要なのかは、発行会社の案内に従います。
カードは発行会社の指示に従って返還するか、切り込みを入れて破棄します。
JCB法人カードは、JCBのほか、提携する金融機関などが発行していることがあります。窓口がカード裏面の発行会社になるのはそのためで、手続きの方法も発行会社ごとに違います。
JCBが発行するカードは電話で手続きが案内されます。電話のあとに書面が必要かどうかは公表されていません。一方、りそなカードが発行するJCB法人カードは退会届で受け付けており、保有するカードをすべて解約する「全解約用」と、一部のカードだけを解約する「一部解約用」の2種類があります。書面が届いてから手続きの完了まで約1週間かかり、完了の連絡はありません。
書面での手続きになる発行会社では、申し出てから退会が終わるまで日数がかかります。年会費の期限が迫っているときは、月末ぎりぎりではなく余裕をもって連絡しておくと安心です。
JCB CARD Biz・JCB Biz ONEはJCB法人カードとは別のシリーズで、一般カードはMyJCBから退会できます(お客様情報の照会・変更の画面の最下部にある「JCBカードの退会に関するご案内」)。ゴールド・プラチナはカード裏面の発行会社への連絡です。
出典:JCB「JCBカードの退会(解約)方法を教えてください。」、JCB「【法人カード】登録している会社の代表者を変更したい。」、りそなカード「退会(解約)方法を教えてください。」、JCB会員規約(一般法人用)
解約が必要なケースと変更で済むケース
法人カードの解約は「代表者が交代したとき」「会社をたたむとき」に必要になる、と一般には説明されます。JCB法人カードの場合、代表者の交代だけなら解約は不要です。分かれ目は、カードを契約している会社(または個人事業主)がそのまま残るかどうかです。
【JCB法人カードで解約が必要になるかどうか】
| 状況 | 解約 | 必要な手続き |
|---|---|---|
| 代表者の交代 | 不要 | 書面で代表者を変更 |
| 吸収合併(吸収する側) | 不要 | 書面で変更 |
| 会社分割(分割後も残る側) | 不要 | 書面で変更 |
| 吸収合併(吸収される側) | 必要 | 退会→新規申込み |
| 新設合併(両社とも解散) | 必要 | 退会→新規申込み |
| 事業譲渡 | 必要 | 退会→新規申込み |
| 解散 | 必要 | 退会 |
| 個人事業主の廃業 | 検討*1 | 退会を検討 |
| 社員の退職 | 不要 | その社員の使用者カードを止める |
出典:JCB「【法人カード】登録している会社の代表者を変更したい。」、JCB「【法人カード】登録している会社名を変更したい。」、JCB会員規約(一般法人用)
合併・事業譲渡などで「必要」になるのは、契約している会社とは別の会社になり、JCB法人カードの契約を引き継げないためです。それぞれの手続きを、状況ごとにみていきましょう。
- 代表者が交代する場合
- 合併・事業譲渡・解散・廃業の場合
- 社員が退職する場合
代表者が交代する場合
JCB法人カードは、代表者が交代しても書面で代表者を変更でき、契約をそのまま続けられます。新しい代表者の名義で申し込み直す必要はありません。なお、代表者の変更でカード番号が変わるかどうかは公表されていません。
- 法人代表者兼実質的支配者変更届
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書。発行から6か月以内・全ページ。コピー可)
- 新しい代表者の本人確認書類(登記している法人は1点)
登記事項証明書は、個人事業主や人格のない社団・財団には不要で、その場合は本人確認書類が2点になります。変更届は、カード裏面の発行会社に電話して取り寄せます。
交代した旧代表者は、手続きが終わるまで責任が残ります。JCBの会員規約では、代表者としてカードを使っていた人(代表使用者)は、別の人が代表使用者として承認されるまで、カードの利用代金などを支払う責任を負い続けると定められています。旧代表者が退任した後も個人の責任を残さないために、交代が決まったら早めに変更を届け出ておくのが確実です。
なお、JCB CARD Biz・Biz ONEは代表者を変更できないため、退会したうえで、新しい代表者の名義で申し込み直します。
出典:JCB「【法人カード】登録している会社の代表者を変更したい。」、JCB会員規約(一般法人用)
合併・事業譲渡・解散・廃業の場合
会社の組織が変わるときは、JCB法人カードを契約している会社が残るかどうかで手続きが分かれます。吸収合併で吸収する側の会社と、会社分割で分割後も残る会社は、書面で社名などを変更して契約を続けられます。吸収合併される側の会社、新設合併で解散する両社、事業譲渡、解散は、契約を続けられず、退会したうえで新規にカードを申し込みます。
具体的には、A社がB社に吸収合併される場合、A社名義のJCB法人カードはB社に引き継げません。B社でカードが必要なら、B社としてあらためて申し込むことになります(B社がすでにJCB法人カードを持っていれば、B社側は変更の手続きで済みます)。
新規の申し込みには審査とカードが届くまでの日数がかかるため、合併の日程が決まった段階で準備しておくと、カードが使えない期間を短くできます。A社のカードに登録していた継続払いも、新しいカードや口座へ付け替えが必要です。

個人事業主の廃業は、JCBの会員規約にある利用目的から考えます。会員規約では、JCB法人カードは法人会員(個人事業主を含む)の営業のために、事業費の決済を目的として使うカードと定められています。廃業するとその前提がなくなるため、廃業後もカードを持ち続ける理由がなければ、退会を検討することになります。
出典:JCB「【法人カード】登録している会社名を変更したい。」、JCB会員規約(一般法人用)
社員が退職する場合
社員が退職しても、会社のJCB法人カードの契約を解約する必要はありません。止めるのは、その社員に発行していた使用者カードだけです。
注意したいのは、社員が退職しただけでは、使用者カードは止まらないことです。JCBの会員規約では、法人会員がカードの使用の中止を申し出た時点で、その使用者カードの資格がなくなると定められています。
また、申し出る前に「退職したのでカードを使う権限はなくなっていた」とJCB側に主張することはできません。退職から申し出までの間に使われた分は、会社が支払うことになりえます。
- 退職日までに使用者カードを回収する
- カード裏面の発行会社に、その社員の使用者カードの使用中止を申し出る
- その社員のカードに登録していた出張手配・サブスクなどの支払いを付け替える
使用者カードだけを止める具体的な方法(電話で済むか、書面が必要か)は公表されていないため、発行会社に「使用者カードだけを止めたい」と伝えて、案内に沿って進めます。
使用者が1人しかいない会社では、その1枚を止めると、契約そのものが終わることがあります。会員規約では、すべての使用者カードが退会した場合、発行会社は法人会員の資格も失わせることができるためです。担当者が替わるだけなら、新しい担当者の使用者カードの追加を先に申し込んでおくと、契約を残したまま切り替えられます。

解約を申し出る前に確認すること
解約すると、J-POINTや使用者カード・ETCカードなど、カードに付いているものがまとめて使えなくなります。申し出の前に確認しておきたいのは、次の4つです。
- 年会費がかからない解約の期限
- J-POINTの交換
- 継続払いと会計ソフト連携の付け替え
- 使用者カードとETCカードの同時退会
年会費がかからない解約の期限
次回の年会費は、カードの有効期限月の月末までに退会すればかかりません。有効期限は、券面に「月/年」の形で印字されています。
年会費は、有効期限月の翌月1日から1年間に対してかかり、2年目以降は有効期限月の3か月後の10日に引き落とされます。引き落としまで間があるため「引き落とされる前に解約すれば間に合う」と考えがちですが、期限はあくまで有効期限月の月末です。年会費が請求された後に解約しても請求は取り消されず、支払い済みの年会費も返金されません。
たとえば、券面の有効期限が「03/27」のカードなら、2027年3月31日までに退会すれば次の年会費はかかりません。4月以降に解約すると、6月10日に1年分の年会費が引き落とされ、その分は戻りません。
※提携する発行会社のカードでは、扱いが異なる場合があります。
解約の目的が年会費を抑えることなら、ゴールドから一般へといった会員区分の変更も選べます。会員区分を変えた場合、J-POINTの残高は変更後のカードに引き継がれます。会員区分の変更は、法人会員が申し出て、審査のうえで承認されます。

出典:JCB「いつまでに退会すれば次回の年会費がかかりませんか?」、JCB「カード年会費の支払時期と適用期間を教えてください。」、JCB「年会費が請求されましたが、今から解約をすれば返金されますか。」、JCB会員規約(一般法人用)、JCB「J-POINTプログラム利用規定」
J-POINTの交換
JCB法人カードを退会すると、J-POINTは交換を含むすべての権利がなくなります。法人会員が退会した場合は、使用者カードで貯まった分も同じ扱いです。解約の電話をかける前に、残っているポイントを交換しておきましょう。
交換先によってポイントの価値が違うため、残高が多いときは交換先を選んでから使い切るのがおすすめです。

継続払いと会計ソフト連携の付け替え
毎月の支払いにJCB法人カードを登録している場合、支払い先への変更の申し出は、会員の側から行うのが原則です。会員規約でも、カード番号を登録した継続的な支払いは、退会するときに会員が加盟店に申し出ることになっています。
- 電気・ガス・水道・通信料金など毎月の料金
- サブスク・クラウドサービス・広告費などカード番号を登録した支払い
- 出張手配・タクシーなど社員が使うサービスの登録
- 会計ソフト・経費精算サービスへの明細の連携
支払い方法を変えないまま解約すると、変更が終わるまで請求が続き、変更前の利用分は解約したカードの利用として請求されることがあります。新しいカードや口座振替への切り替えが終わったことを明細で確かめてから、解約を申し出ると確実です。
会計ソフトの連携は、新しいカードや口座に連携先を切り替えておきます。退会した後も、それまでの利用明細はMyJCBまたは書面で確認できるため、解約した後に記帳のため明細を見返すこともできます。

出典:JCB会員規約(一般法人用)、JCB「クレジットカードを退会したのに請求があるのはなぜですか?」、JCB「支払いが残っていますが、退会(解約)できますか?」
使用者カードとETCカードの同時退会
法人会員がJCB法人カードを退会すると、社員に配っている使用者カードもすべて退会になり、付随するETCカード(ETCスルーカードN)とQUICPayも自動で退会します。出張中の社員がいる時期や、社用車でETCを使う予定がある時期に解約すると、その場で支払えなくなります。
ETCカードは、社用車の車載器に挿したままにせず、新しいETCカードに差し替えてから解約するのが安全です。反対に、JCB法人カードは残してETCカードだけを止めたい場合、ETCスルーカードNはMyJCBでは退会できないため、カード裏面の発行会社に連絡します。

出典:JCB「カードを退会するとETCスルーカード・家族カード・QUICPayはどうなりますか?」、JCB「ETCスルーカード・ETCスルーカードNの退会方法を教えてください」、JCB会員規約(一般法人用)
解約したあとの支払い
JCB法人カードは、利用残高が残っていても解約でき、残高はこれまでどおり登録口座から引き落とされます。解約したからといって、支払いの時期が早まることはありません。
JCB法人カードは、退会しただけでは残高を一括で請求されません。会員規約で残高を一括で支払うことになる場合(期限の利益の喪失)として挙げられているのは、支払いの遅れや手形の不渡り、差押え、破産などの申し立てといった事由で、退会は含まれていません。
残高を早めにまとめて払いたい場合は、カード裏面の発行会社に申し出ます。
JCB法人カードの利用代金は毎月15日締め・翌月10日払いです。具体的には、9月20日に解約を申し出た場合、9月1日〜15日の利用分は10月10日に、9月16日から解約を申し出るまでの利用分は11月10日に引き落とされます。
退会が成立するのは、申し出た日ではなく、残りの利用代金をすべて払い終えた時点です。それまでは支払いの義務が続くため、引き落とし口座は、最後の引き落としが終わるまで解約しないようにしましょう。解散や廃業で法人口座を閉じる予定があるときは、最後の引き落とし日を明細で確かめてから口座を閉じる順番にします。

解約にかかる費用について、JCBの会員規約(一般法人用)には、退会の手数料や違約金を定めた条項は見当たりません。ただし、退会が無料であると明示した案内も公表されていません。はっきりしているのは、すでに支払った年会費は退会しても返金されないことです。
出典:JCB「支払いが残っていますが、退会(解約)できますか?」、JCB「クレジットカードを退会したのに請求があるのはなぜですか?」、JCB「毎月10日の支払い日・毎月15日の締め日を変更できますか?」、JCB「ご利用代金のお支払いについて」、JCB会員規約(一般法人用)
まとめ:JCB法人カードの解約はカード発行会社への連絡から
JCB法人カードの解約は、MyJCBではなく、カード裏面の発行会社への連絡で進めます。発行会社によって電話で済むか退会届が必要かが違い、書面の場合は完了まで日数がかかります。
- 窓口はカード裏面のカード発行会社(MyJCB・自動音声は使えない)
- 次回の年会費は、有効期限月の月末までに退会すればかからない
- 代表者の交代は解約不要、書面で変更できる
- 吸収合併される側・事業譲渡・解散は、退会して新規申込み
- 社員の退職は、使用者カードの使用中止を申し出た時点で止まる
- 残高は一括請求にならず、払い終えた時点で退会が成立する
解約を決めたら、まず有効期限月を券面で確かめ、J-POINTの交換と、継続払い・使用者カード・ETCカードの付け替えを済ませてから、発行会社に連絡しましょう。代表者の交代や担当者の入れ替えが理由なら、解約ではなく変更や使用者カードの追加で済むため、カードの種類や年会費を見直したいときは、ランクの違いから検討するのがおすすめです。


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